40代以上の女性で冷たいものが好きな方に注意してほしいこと

暑い時期になると、無性に冷たいものがほしくなります。

 

ひんやりとしたアイスやキンキンに冷えた飲み物、冷やしそうめん、かき氷など、夏ならではの食べ物を楽しみにしている方も多いでしょう。

 

もちろん、暑い日に冷たいものを食べたり飲んだりすること自体が、悪いわけではありません。

 

体に熱がこもっているときには、冷たい飲み物の方が飲みやすく、水分補給に役立つこともあります。

 

ただし、冷たいものをとったあとに、お腹が張る、腹痛が起こる、便がゆるくなる、食欲が落ちるといった変化を感じる方は、量や取り方を少し見直してみてもよいでしょう。

 

冷たいものに対する感じ方には個人差があるため、自分の体調に合わせることが大切です。

東洋の知識では、食べたものを受け入れ、体を養うものへと変えて全身に届ける働きを「脾」と表現します。

 

ここでいう脾は、西洋医学における臓器の「脾臓」と同じ意味ではありません。

 

胃腸を中心とした消化吸収や、食事から元気を養う働きなどを含めて考える、東洋独自の機能的な概念です。

 

東洋の世界には、「脾は肌肉を主る」という言葉があります。

 

これは、食事から体を養う働きと、筋肉や体の張りを関連づけて捉える、東洋の伝統的な考え方です。

 

そのため、食欲が落ちて十分に食べられない状態が続くことは、体力や筋肉を保つうえでも望ましいことではないと考えられてきました。

 

ただし、冷たいものを食べたり飲んだりしたからといって、すぐに脾の働きが乱れるわけではありません。

 

冷たい飲み物、アイス、冷たい麺類などに食生活が偏り、食欲不振や便のゆるさなどが続く場合に、東洋では脾への負担を考えることがあります。

以前の記事では、冷たいものを食べすぎると、皮膚のたるみにつながるとご紹介していました。

 

しかし、西洋的に見ると、冷たい食べ物や飲み物だけが、皮膚のたるみを直接引き起こすとはいえません。

 

肌の張りや見た目には、年齢に伴う皮膚の変化、長年にわたる紫外線の影響、体重の増減、皮下脂肪や筋肉の変化など、さまざまな要因が関係しています。

 

そのため、「冷たいものを食べるとたるむ」と単純に結びつけるのではなく、冷たいものに偏った食生活が続いていないかを確認することが大切です。

 

例えば、朝はアイスコーヒーだけ、昼はそうめんだけ、間食にはアイスという食生活が続くと、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などを十分にとりにくくなります。

 

筋肉量や筋力は、一般に40歳頃から少しずつ低下しやすくなるといわれています。

 

これは女性だけに起こる変化ではありませんが、40代以降は食事量が減ったときほど、食べる量だけでなく、食事の中身にも目を向けたいところです。

 

冷たいものを楽しむときには、冷たいものだけで食事を終わらせないようにしましょう。

 

そうめんを食べる場合は、卵、鶏肉、ツナ、豆腐、納豆などを添えると、たんぱく質を補いやすくなります。

 

薬味や野菜、温かい汁物などを組み合わせるのもよいでしょう。

 

東洋の食養生では、胃腸の調子が気になるときには、冷たいものに偏らず、温かく食べやすい料理を取り入れます。

 

米やいも類、かぼちゃ、にんじん、山芋、豆類などは、煮物や汁物などの温かい料理にも取り入れやすい食材です。

 

ただし、これらの食材だけに偏るのではなく、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質を含む食品や、さまざまな野菜を組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが大切です。

 

冷たい飲み物についても、完全に避ける必要はありません。一気に大量に飲むのではなく、少しずつ飲むことを意識してみましょう。

 

冷たい飲み物を飲んだあとに毎回お腹の調子が悪くなる方は、常温の水や麦茶なども取り入れ、自分が心地よく飲める温度を選んでください。

一方で、胃腸の冷えを心配するあまり、暑い日に水分を我慢するのは危険です。

 

夏は室内でも熱中症になることがありますので、のどが渇いてから一気に飲むのではなく、のどの渇きを感じる前から、こまめに水分を補いましょう。

 

長時間の運動や屋外作業などで大量に汗をかいたときには、状況に応じて水分と塩分を補うことも必要です。

 

ただし、持病などによって水分や塩分の制限を受けている方は、医師の指示に従ってください。

また、冷たいものだけでなく、冷房による体の冷えにも注意したいところです。

 

暑さを我慢して冷房を使わない必要はありませんが、冷たい風が直接当たり続けると、冷えやだるさを感じる方もいます。

 

薄手の羽織ものを使う、風向きを調整する、お腹や足元を冷やしすぎないなど、無理のない範囲で工夫してみましょう。

 

冷たい飲み物やアイス、そうめん、かき氷は、夏を楽しむための大切な食文化でもあります。元気に過ごせており、普段の食事もとれているのであれば、必要以上に心配することはありません。

 

大切なのは、冷たいものを避けることではなく、自分の胃腸の調子を確認しながら、量や食べる速さ、食事全体の組み合わせを整えることです。

 

冷たいものをとるたびに腹痛や下痢が起こる、食欲の低下が長く続く、意図せず体重が減っている、強いだるさがあるといった場合は、単なる「冷え」と判断せず、医療機関等へ相談してください。

 

東洋の知識では、脾をいたわり、食事から体を養うこと。西洋的な視点では、栄養の偏りを防ぎ、筋肉、紫外線、水分補給などにも目を向けること。

 

この二つをうまく組み合わせながら、冷たいものを我慢しすぎることなく、暑い夏を気持ちよく楽しんでいきたいですね。

 

※本記事は、東洋の養生の考え方や一般的な健康情報をもとにした内容です。医薬品の効能効果を示すものではなく、特定の症状や病気の診断・治療を目的としたものではありません。体調に不安がある場合や症状が続く場合は、無理をせず医療機関等へご相談ください。

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