台風の時に体調を崩しやすい方へ。東洋と西洋の知識から見た養生

2026年6月25日現在、台風7号と台風8号の2つの台風が発生しており、いわゆる「ダブル台風」の状況となっています。

 

台風7号は南西諸島付近を北上しており、沖縄・奄美では暴風や大雨、高波に注意が必要です。

 

また、今後は西日本から東日本にかけて接近するおそれがあり、台風本体の雨風だけでなく、梅雨前線の活動が活発になることによる大雨にも注意が必要です。

 

台風8号については、今後熱帯低気圧に変わる見込みも出ていますが、湿った空気や前線への影響によって、広い範囲で雨が強まる可能性があります。

 

台風情報は刻々と変わりますので、最新の気象情報や自治体からの避難情報を確認し、無理な外出は控えるようになさってください。

さて、台風が近づくと「体がだるい」「頭が重い」「めまいがする」「むくみやすい」「胃腸の調子が悪い」といった不調を感じる方がいらっしゃいます。

 

これは、気のせいだけとは言い切れません。

 

西洋医学的に見ると、台風の時期は気圧の変化、湿度の上昇、気温差、睡眠の乱れなどが重なりやすく、自律神経のバランスが揺らぎやすい時期です。

 

特に、気圧の変化に敏感な方は、耳の奥にある内耳が影響を受け、頭痛、めまい、だるさ、眠気などにつながることがあります。

 

もちろん、すべての不調が気圧だけで説明できるわけではありません。

 

しかし、台風前後に毎回同じような不調が出る方は、天候の変化が体に負担をかけている可能性があります。

一方、東洋の知識では、台風や梅雨のような湿気の多い時期は「湿」の影響を受けやすいと考えます。

 

湿は、体にまとわりつくような重だるさを生みやすく、体内の水の巡りが滞ると「水滞」と呼ばれる状態につながります。

 

水滞は、体の中の水分がうまく巡らず、偏りが出ているような状態です。

 

むくみ、頭重感、めまい、だるさ、胃の重さ、軟便などが出やすい方は、湿気の多い時期に影響を受けやすい傾向があります。

 

また、東洋では「脾」という考え方も大切です。

 

脾は、現代でいう胃腸を含めた消化吸収の働きに近い概念で、湿気を嫌うとされています。

 

湿度が高い時期に、冷たい飲み物、甘いもの、脂っこいものを摂りすぎると、胃腸に負担がかかり、食欲不振、胃もたれ、吐き気、疲れやすさなどにつながることがあります。

 

つまり、台風時の不調対策では、頭痛やだるさだけを見るのではなく、気圧変化への備え、睡眠、胃腸の働き、水分の巡りをまとめて意識することが大切です。

まず意識したいのは、体を冷やしすぎないことです。

 

湿度が高い日は蒸し暑く感じるため、つい冷たい飲み物やアイスに手が伸びがちです。

 

しかし、胃腸が弱い方の場合、冷たいものの摂りすぎはお腹の負担になり、かえってだるさや食欲不振につながることがあります。

 

飲み物は、できれば常温か温かいものを基本にしましょう。

 

食事も、冷たい麺類だけで済ませるより、温かい汁物や消化に負担の少ないものを一品加えると、体を冷やしすぎずに過ごしやすくなります。

食事では、冷たいものや脂っこいものに偏らず、温かく消化に負担の少ないものを意識するとよいでしょう。

 

季節の養生としては、山芋、かぼちゃ、人参、じゃがいも、さつまいも、しいたけなどのきのこ類を、煮物や汁物などの温かい料理で取り入れるのがおすすめです。

 

また、梅雨や台風の時期の食養生では、とうもろこし、とうもろこしのひげ茶、はと麦、小豆、黒豆、きゅうり、冬瓜などもよく用いられます。

 

ただし、きゅうりや冬瓜は冷たい状態でたくさん摂ると、冷えや胃腸の負担につながる場合もあります。

 

冷えが気になる方は、生で多く食べるより、汁物や煮物など温かい形で取り入れるとよいでしょう。

 

また、むくみが気になるからといって、水分を極端に減らす必要はありません。

 

大切なのは、冷たいものを一気に飲むのではなく、常温の水分をこまめに少しずつ摂ることです。

 

蒸し暑い時期は汗もかきますので、脱水には十分注意してください。

生活面では、台風が近づく前から睡眠を乱さないことも大切です。

 

気圧や湿度の変化だけでも体に負担がかかりやすいため、夜更かしをすると自律神経がさらに乱れやすくなります。

 

天気が荒れる前日は、スマートフォンで台風情報を見続けすぎず、早めに休むことを意識しましょう。

 

漢方薬では、体内の水分バランスに着目して、五苓散や苓桂朮甘湯などが候補になることがあります。

 

五苓散は、のどが渇くのに尿量が少ない、むくみや頭痛、吐き気、水様性下痢などがある場合に用いられることがあります。

 

苓桂朮甘湯は、めまい、ふらつき、立ちくらみ、動悸などがある方に用いられることがあります。

 

ただし、どちらが合うかは体質や症状によって異なります。

 

また、紹介していない別の漢方薬の方が適している場合もあります。

 

持病がある方、妊娠中の方、薬を服用中の方は、自己判断せず、薬局やドラッグストアで薬剤師・登録販売者に相談してください。

台風の時期は、天候だけでなく体調も揺らぎやすい時期です。

 

外の備えと同じように、体の中の備えも大切にしていきましょう。

 

胃腸を冷やしすぎない、睡眠を整える、食事を軽くしすぎない、水分をこまめに摂る。

 

こうした小さな養生を重ねることで、台風の時期も少し過ごしやすくなります。

 

なお、突然の激しい頭痛、ろれつが回らない、片側の手足のしびれ、物が二重に見える、強いめまいや吐き気が続く場合は、台風や気圧のせいと決めつけず、早めに医療機関へご相談ください。

 

※こちらは健康情報です。医薬品ではありません。体調不良が強い場合や、症状が長引く場合は、早めに医療機関へご相談ください。

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