40代以上の女性で
夜中々寝付けない方へ

40代を過ぎたころから、「布団に入ってもなかなか眠れない」「前より寝つきが悪くなった」と感じる方は少なくありません。

 

これは気のせいではなく、年齢とともに起こりやすくなる変化の一つです。

 

特に女性は、月経、妊娠・出産、閉経といった女性ホルモンの大きな変動があるため、男性よりも睡眠の悩みが起こりやすいことが知られています。

 

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、更年期では不眠症や睡眠時無呼吸などが起こりやすく、のぼせ、発汗、動悸といったホットフラッシュがきっかけとなって深く眠れなくなることがあると案内されています。

更年期は、一般に閉経の前後約5年、合わせて約10年間を指します。

 

この時期は女性ホルモンの変動や減少に加え、仕事や家庭環境の変化、加齢に伴う体調の変化なども重なりやすくなります。

 

日本産婦人科医会でも、更年期にみられる不眠、いらいら、不安感、気分の落ち込みなどは、女性ホルモンの減少に、その人の生活環境や性格傾向などが重なって起こると説明されています。

 

つまり、40代以上の女性の寝つきの悪さは、単に気合いや気分の問題ではなく、体と心の両方の影響を受けて起こることがあるのです。

また、中高年女性ではホットフラッシュが不眠症状と関連しやすいことも報告されています。

 

国立長寿医療研究センターの報告では、ホットフラッシュのある方は、入眠不良や途中で目が覚めやすい状態を経験しやすいことが示されています。

 

夜に体がほてる、汗をかく、動悸がする、といったことがあると、眠りに入りにくくなるのは不思議なことではありません。

 

 

さらに、寝つきの悪さには生活習慣も大きく関わります。

 

厚生労働省の睡眠ガイドでは、就寝前は少なくとも1時間ほど、家事や仕事、勉強に追われず、脳の興奮を鎮める時間を持つことがすすめられています。

 

寝る前や深夜のスマートフォン、パソコン、ゲームなどは睡眠不足を助長しやすく、夜ふかしの原因にもなります。

 

眠ろうとしても頭がさえてしまう方は、寝る直前まで画面を見る習慣を見直すことが大切です。

寝つきを整えるためには、夜だけでなく日中の過ごし方も重要です。

 

e-ヘルスネットでは、運動、入浴、日光や照明などの光の取り方が快眠と深く関わるとされています。

 

朝はできるだけ同じ時刻に起きて光を浴び、日中は適度に体を動かし、夜は明るすぎる光を避けることが基本です。

 

就寝前に熱すぎない入浴で体をゆるめたり、静かな音楽や呼吸法など、自分に合ったリラックス法を取り入れたりするのもよい方法です。

また、飲み物にも注意が必要です。

 

厚生労働省の資料では、夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の妨げになりやすく、寝酒の習慣はかえって眠りを悪化させるとされています。

 

アルコールは一時的に寝つきをよくしたように感じても、睡眠後半の質を下げやすく、夜中に目が覚める原因にもなります。

 

夜になかなか寝付けない方は、夕方以降のコーヒーや濃いお茶、エナジードリンクを控えめにし、夜は白湯やノンカフェインの温かい飲み物に切り替えるほうが安心です。

「早く眠らなければ」と思うほど、かえって目がさえてしまうこともあります。

 

厚生労働省の睡眠ガイドでは、眠気がないのに無理に眠ろうとすると脳の興奮が高まり、寝つきを悪化させることがあるとされています。

 

なかなか寝付けないときは、いったん寝床を離れ、静かで暗めの場所で落ち着いて過ごし、眠気を感じてから戻るほうがよいとされています。

 

眠れないことを必要以上に責めないことも大切です。

なお、寝つきの悪さの背景には、更年期だけでなく、不眠症、睡眠時無呼吸症候群、気分の落ち込み、薬の影響などが隠れていることもあります。

 

大きないびきがある、睡眠中に呼吸が止まると言われる、日中の眠気が強い、頭痛やだるさが続く、気分の落ち込みや不安が強いといった場合は、一度医療機関へ相談することをおすすめします。

 

生活習慣を整えても改善しないときも、我慢しすぎないことが大切です。

 

 

東洋では、こうした状態を「肝」や「腎」の働きの乱れとして考えることがあります。

 

ただし、これは現代医学の臓器そのものと一対一に対応するものではなく、心身全体の働きをまとめて捉えるための考え方です。

 

ですので、まずは更年期や生活習慣の影響を理解し、睡眠環境を整えることを土台にしつつ、必要に応じて東洋的な養生も取り入れていく、という形が分かりやすいと思います。

 

 

年齢とともに眠り方が変わってくるのは、決して珍しいことではありません。

 

だからこそ、ご自身を責めすぎず、体の変化に合わせて整えていくことを大切にしていただければと思います。

 

 

※こちらの情報は一般的な健康情報です。医薬品ではありません。感じ方や合う方法には個人差があります。症状が続く場合は、医療機関へご相談ください。

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