東洋の知識から見た
40代以上の女性の
目の養生

「最近スマホを少し離さないと文字が読みづらい」「夕方になるとピントが合いにくい」——そんな変化を感じ始めた方はいらっしゃいませんか。

 


老眼(老視)は決して「50代・60代から」の話ではなく、多くの方で40歳前後から少しずつ始まる加齢変化とされています。

 


さらに、日本では40歳以上のおよそ20人に1人が緑内障であるという報告があり、緑内障は成人の失明原因の上位を占めるとされています。


40代以上の女性にとって、「目の養生」は今から意識しておきたい大切なテーマと言えます。

東洋医学から見た「肝」と目の関係


東洋医学では、目は単独で存在しているわけではなく、全身の状態を映し出す場所と考えます。

 

なかでも有名なのが、「肝は目に開竅(かいきょう)する」という言葉です。

 


ここでいう「肝」は、西洋医学の肝臓そのものというよりも、「血を蓄え、全身に巡らせる」「気の巡りをスムーズにする」といった働きをまとめた概念です。

 

肝の働きが整っていると、十分な「血」が目まで行き渡り、かすみ目や乾き、疲れ目のケアにもつながると考えられてきました。

 


反対に、ストレス・怒り・睡眠不足・長時間のパソコン作業などで肝のはたらきが乱れると、目の充血、ピクピクするけいれん、乾燥感などが出やすくなる——というのが東洋医学的な見立てです。

 


「目の不調だけを見る」のではなく、「気持ち」「睡眠」「血の巡り」といった全体を一緒に整えていく、というのが東洋的な目の養生の考え方です。

食材でできる「目の養生」
肝と目をいたわる食材として、東洋医学では次のようなものがよく挙げられます。

 


クコの実・貝類(アサリ・シジミなど)・豚肉・柑橘類(みかん・柚子など)・山査子・梅干し・ニラ・セロリ・タマネギ・ピーマン

 


クコの実は、肝と腎を養い、目のかすみや疲れをケアする食材として古くから用いられてきました。

 

貝類や豚肉には亜鉛やビタミンB群が含まれ、現代栄養学の観点から見ても代謝や血の材料づくりを支えてくれます。
 

香りのある野菜や柑橘類、梅干し、山査子などは、「気の巡り」を良くし、イライラやモヤモヤを和らげる方向に働くとされています。

 

 

ストレスによる肝の乱れが目に影響する、という東洋的な考え方からすると、これらも間接的に目の養生に役立つ食材といえます。
 

 

また、菊花茶は「目に良いお茶」として知られ、クコの実と合わせてお茶にするレシピもあります。

 

体質によって合う・合わないがありますので、少量から試して様子を見ながら取り入れてください。

西洋医学から見た「目にうれしい栄養」


西洋医学・栄養学の研究からは、次のような栄養素が目の健康維持に関係していることが知られています。


ビタミンA
レバー・うなぎ・卵黄・バター・チーズ、にんじん・ほうれん草・かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれます。

 

ビタミンB群
豚肉・レバー・卵・青魚、玄米・雑穀、大豆製品(納豆・豆腐)などに多く含まれます。

 

ビタミンC・E
ビタミンCは柑橘類・いちご・キウイ・ブロッコリー・パプリカなど、ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類・植物油(ひまわり油・オリーブオイルなど)、アボカドに豊富です。

 

ビタミンD
鮭・サンマ・イワシなどの魚、卵黄、きのこ類(しいたけ・まいたけなど)に含まれ、日光に当たることで体内でも合成されます。

 

亜鉛
牡蠣・あさりなどの貝類、牛肉・豚肉、卵、大豆製品、ナッツ類に多く含まれます。

 

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA )
サバ・イワシ・サンマ・マグロなどの青魚、えごま油・アマニ油などに含まれます。

 

 

これらの栄養素は、「一つだけをたくさん摂る」というよりも、魚・肉・卵・大豆製品・野菜・果物・海藻・ナッツ類を組み合わせて、日々の食事の中でバランスよく摂っていくことが大切です。

 

 

サプリメントを利用する場合は、持病や服薬との兼ね合いもありますので、必要に応じて医師・薬剤師にご相談なさってください。

日常でできる「目にやさしい所作」


ここからは、今日からできる具体的な「目の養生習慣」をご紹介します。

 

とくに、スマホやパソコンを使う時間が長い方には意識していただきたい内容です。

 


① 20–20–20ルールで「ピントを休ませる」


長時間画面を見続けると、ピント合わせを担当する筋肉が緊張し続け、目の疲れやぼやけ、頭痛などにつながりやすくなります。

 

こうした「デジタル眼精疲労」を和らげる方法のひとつとして、世界中の眼科・眼鏡の専門家が勧めているのが「20–20–20ルール」です。

 


やり方はとてもシンプルです。


■20分ごとに・20秒間・6メートル(約20フィート)以上離れたものを見る。

これだけです。

 


机の上に小さなタイマーやアプリを入れておき、「20分に一度、ふっと遠くを見る」だけでも、ピントの筋肉を一度ゆるめることができます。

 

厳密に20分きっちりでなくても構いませんので、「一区切りついたら遠くを見る」を習慣にしてみてください。

 


② 意識してまばたきの回数を増やす


画面を集中して見ていると、まばたきの回数が普段より減ることが分かっています。その結果、涙が乾きやすくなり、乾き・ゴロゴロ感・かすみの原因になります。

 


・画面を見るときに、意識して「ゆっくりまばたき」を数回行う


・目が乾きやすい方は、必要に応じて防腐剤無添加の人工涙液を医師・薬剤師と相談して活用する

 


といった工夫も、目の表面を守るうえで役立ちます。

 


③ 画面との距離と高さを整える
 

画面が近すぎる・高すぎると、ピントと筋肉に負担がかかりやすくなります。

 


・画面は「30~40cm程度離す」を目安にする


・ノートPCは、目線がやや下になる高さに調整する


・寝転びながらのスマホはできるだけ避ける

 


ほんの少しの調整ですが、「首・肩の負担」も同時に減らせますので、目と体の両方の養生になります。

 


④ 夜は照明と画面の明るさをやさしく


真っ暗な部屋で明るい画面を見ると、まぶしさや疲れにつながりやすくなります。

 

就寝前は・・・

 


・部屋の照明を少し落として、強い光を避ける


・画面の明るさを部屋の明るさに合わせて調整する


・就寝の1時間前を目安に、画面を見る時間を減らしていく

 


といった工夫をしていただくと、目の負担を減らすだけでなく、睡眠の質にも良い影響が期待できます。

40代以上は「定期的な眼科検診」を


東洋的な食養生や日常の工夫はとても大切ですが、それでも見逃してはいけないのが「病院でのチェック」です。
 

 

緑内障は、視野が少しずつ欠けていく病気ですが、初期にはほとんど自覚症状がなく進行することが多いとされています。

 

日本の大規模調査でも、40歳以上の約5%が緑内障と推定され、その多くが未診断だったという報告があります。

 


そのため、

・40代に入ったら、症状がなくても年1回程度の眼科検診を受ける

・「最近見え方が何となくおかしい」「片目だけ見えにくい気がする」など違和感があれば早めに受診する


ことが、将来の視力を守るうえでとても大切です。

おわりに


40代は、老眼の始まりや目の病気のリスクが静かに増え始める年代です。

 

しかし、「もう年だから」とあきらめる必要はありません。

 


・肝と目を意識した食養生を取り入れる


・菊花茶などで一息つき、ストレスと上手に付き合う


・ビタミンAや亜鉛、オメガ3脂肪酸などを含む食品を、日々の食事にバランスよく取り入れる


・そして、20–20–20ルールやまばたき、画面環境の調整など、日常の小さな所作を積み重ねる


こうした一つ一つが、将来の「見え方」を支えてくれる養生になります。

 

 

できる範囲でいいので、取り入れていただければ幸いです。

 


※本記事の内容は、いずれも一般的な情報であり、特定の病気の診断や治療を行うものではありません。見え方に不安がある場合や持病がある場合は、自己判断なさらず、必ず眼科専門医にご相談ください。

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