春は明るく前向きな季節に見えますが、実際には「揺れ」が出やすい時期でもあります。
寒暖差が続き、風が強い日も増え、年度替わりで予定や人間関係が動きます。その結果、「落ち着かない」「些細なことでイライラする」「眠りが浅い」「肩や首がこわばる」「だるさが抜けにくい」と感じる方がいらっしゃいます。
漢方では、季節と人の状態は響き合うものとして捉えます。
古典にも「人は天地と相参じ、日月と相応ずる」という趣旨の言葉があり、自然の変化に合わせて暮らしを調えることが養生の土台だと考えます。
春の指針として有名なのは、『黄帝内経(素問)』にある「夜臥早起、広歩於庭、被髪緩形、以使志生」という一節です。
現代の言葉にすると、冬より少し活動の時間帯を前に寄せ、朝は早めに起きて外を歩き、髪や服の締め付けをゆるめ、気持ちが伸びやかになるように暮らす、という意味合いになります。
春は気合で押し切るより、ゆるめて巡らせるほうが安定しやすい、という考え方です。