夜間頻尿の原因は?考えられる理由と対策、漢方での考え方

夜中にふと目が覚めて、トイレへ。

 

「最近、毎晩のようにトイレに起きるようになった」
「夜中に何度か起きるので、朝までぐっすり眠れない」

 

このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

夜間に排尿するために1回以上起きる症状を「夜間頻尿」といいます。

 

国内で行われた40歳以上の男女を対象とした大規模調査では、夜間に1回以上排尿する方は69%にのぼり、当時の人口に換算すると約4,500万人と推計されました。

 

20年以上前の調査ではありますが、夜間頻尿が決して珍しい症状ではないことが分かります。

 

また、夜間頻尿は年齢とともに増える傾向があります。

 

夜1回以上トイレに起きれば夜間頻尿の定義には当てはまりますが、それだけで何らかの病気があると決まるわけではありません。

 

回数だけでなく、夜中に何度も目が覚めて眠れない、日中に眠気が残るなど、生活への影響も含めて考えることが大切です。

夜間頻尿の原因は一つではありません

 

夜間頻尿というと、

「年齢のせいだから仕方がない」

と思われることもありますが、実際にはさまざまな原因があります。

 

日本泌尿器科学会では、夜間頻尿の主な原因を、

・多尿、夜間多尿
・膀胱にためておける尿量の減少
・睡眠障害

などに分けています。

 

例えば、就寝前や夜間に水分を多く取っている場合には、夜間につくられる尿の量が増えることがあります。

 

また、過活動膀胱などによって膀胱に十分な量の尿をためられず、少量でも尿意を感じて起きてしまう場合もあります。

 

一方で、「尿意が原因で目が覚めた」のではなく、眠りが浅くて先に目が覚め、そのついでにトイレへ行っているということもあります。

 

さらに、糖尿病や腎臓の病気、心不全、高血圧、睡眠時無呼吸など、全身の病気が夜間頻尿に関係する場合もあります。

 

つまり、夜間頻尿は「膀胱だけの問題」とは限らないのです。

まずは普段の生活を振り返ってみましょう

 

夜間頻尿が気になる場合は、普段の生活を振り返ってみることも大切です。

 

特に、就寝前に水分を多く取っていないか、夕方以降にアルコールやカフェインを多く取っていないかなどを確認してみましょう。

 

また、塩分の取りすぎを見直すことが、夜間につくられる尿の量や排尿回数の改善につながる可能性もあります。

 

ただし、

「夜トイレに行きたくないから、水分をできるだけ取らない」

という極端な水分制限はおすすめできません。

 

必要な水分量は、気温や活動量、体格、持病などによっても異なります。

 

原因によって適した対策も変わりますので、「水を減らせばよい」と一律に考えるのではなく、自分の状態に合わせて見直すことが大切です。

東洋では「腎」との関係を考えることがあります

 

東洋では、排尿や加齢に伴う体の変化などを考える際に「腎(じん)」という概念を用います。

 

ここでいう「腎」は、西洋医学でいう腎臓そのものを指しているわけではありません。

 

東洋独自の身体の働きを表す考え方です。

 

加齢とともに夜間の排尿が気になる、足腰の衰えや冷えなども気になる、といった状態を「腎」と関連づけて考えることがあります。

 

また、薬膳の世界では、黒豆、黒ごま、くるみ、山芋などが「腎」と関係する食材として伝統的に用いられてきました。

 

ただし、これらの食品を食べることで夜間頻尿が治るという意味ではありません。

 

普段の食事の一品として取り入れる程度に考えるのがよいでしょう。

八味地黄丸や牛車腎気丸が使われることも

 

排尿に関する症状に使用される漢方薬として、

「八味地黄丸(はちみじおうがん)」
「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」

などがあります。

 

八味地黄丸は、一般用医薬品では、

「体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるもの」

の夜間尿、頻尿、残尿感、軽い尿漏れなどに効能・効果が認められています。

 

一方、牛車腎気丸は、

「体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるもの」

の頻尿、排尿困難、むくみなどに効能・効果があります。

 

つまり、八味地黄丸には「夜間尿」「頻尿」、牛車腎気丸には「頻尿」などの効能・効果が認められています。

 

ただし、

「夜中にトイレへ行くなら八味地黄丸や牛車腎気丸を飲めばよい」

というわけではありません。

 

同じ夜間頻尿でも、原因や体の状態は人によって異なります。

 

また、漢方薬も医薬品です。

 

治療中の方、ほかの薬を服用している方、妊娠中または妊娠の可能性がある方などは、医師や薬剤師、登録販売者へ相談したうえで使用しましょう。

夜間頻尿が続く場合は一度相談を

 

夜間頻尿は珍しい症状ではありませんが、原因は人によってさまざまです。

 

「年齢のせいだから」と思っていたものが、過活動膀胱や睡眠の問題、あるいは別の病気と関係していることもあります。

 

特に、

・夜中に何度も起きることで十分に眠れない
・急にトイレの回数が増えた
・昼間も頻尿がある
・尿が出にくい
・血尿がある
・排尿するときに痛みがある
・強い口渇があり、尿量そのものが増えている

といった場合には、一度泌尿器科などの医療機関へ相談してみてください。

 

夜間頻尿は、単純に「トイレが近い」というだけの問題ではありません。

 

まずは原因を知り、その原因に合った対策を考えていくことが大切です。

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