東洋の知識から見た梅雨明けの夏の過ごし方

7月に入り、各地で梅雨明けが意識される頃になってきました。

 

平年では、九州から関東甲信にかけて、7月中旬から下旬にかけて梅雨明けを迎える地域が多くなります。

 

梅雨が明けるということは、いよいよ本格的な夏が始まるということです。

 

海や山のレジャー、夏野菜、冷たい飲み物、花火やお祭りなど、夏ならではの楽しみも増えてきます。

 

一方で、気温や湿度が高くなる時期は、体にとって負担がかかりやすい季節でもあります。

 

以前、立夏の頃にも夏の過ごし方についてご案内しましたが、あれから季節は進み、今は「夏を迎える準備」から「本格的な暑さをどう過ごすか」へ意識を切り替える時期です。

 

今回は、東洋の養生の考え方に、西洋的な体調管理の視点も加えながら、梅雨明け後の夏の過ごし方をご紹介します。

東洋の考え方では、夏は「心」と関わりが深い季節とされています。

 

ここでいう心は、単に心臓だけを指すものではありません。

 

血(けつ)の巡りや精神活動、気持ちの安定なども含めた、広い意味での「心」と考えられています。

 

夏は暑さによって汗をかきやすく、体力を消耗しやすい季節です。

 

汗をかくこと自体は自然な反応ですが、汗をかきすぎると水分だけでなく、体に必要なミネラルも失われやすくなります。

西洋的に見ても、暑い時期は脱水や熱中症に注意が必要です。

 

のどが渇いてから一気に飲むのではなく、こまめな水分補給を意識しましょう。

 

汗を多くかいた日は、水分だけでなく、塩分やミネラルもあわせて意識したいところです。

 

また、暑さで寝苦しくなったり、冷房との温度差で体がだるくなったりすると、気分も落ち着きにくくなります。

 

東洋の世界で夏に「心」をいたわることが大切とされるのは、現代的に見ても納得しやすい部分があります。

もう一つ、夏に意識したいのが「脾」です。

 

東洋でいう脾は、現代的な意味での消化吸収や胃腸の働きに近い考え方です。

 

暑い日は、冷たい飲み物、アイス、そうめんなどに偏りやすくなります。もちろん、暑い日に冷たいものを楽しむこと自体は悪いことではありません。

 

ただし、冷たいものばかりが続くと、胃腸に負担がかかり、食欲不振、もたれ、だるさなどを感じやすくなることがあります。

 

西洋的に見ても、食事量が極端に減ったり、糖分の多い飲み物ばかりになったりすると、栄養のバランスが崩れやすくなります。

夏の養生では、「暑さをためこまないこと」と「胃腸を冷やしすぎないこと」の両方が大切です。

 

食材としては、トマト、きゅうり、なす、ゴーヤ、オクラ、モロヘイヤ、山芋などが取り入れやすいでしょう。

 

トマト、きゅうり、なす、ゴーヤなどは、暑い日の食卓にはぴったりですが、冷たい状態で大量に食べ続けると、胃腸が弱い方には負担になることもあります。

 

冷えやすい方や、胃腸が弱い方は、味噌汁、炒め物、蒸し料理など、温かい調理法も取り入れるとよいでしょう。

 

オクラ、山芋、モロヘイヤのようなねばりのある食材は、夏場の食欲が落ちる時期にも食べやすい食材です。

 

あわせて、豆腐、卵、白身魚、鶏肉などのたんぱく質も、無理のない範囲で取り入れたいところです。

 

飲み物は、水や麦茶を基本にしつつ、緑茶やウーロン茶なども上手に取り入れるとよいでしょう。

 

ただし、緑茶やウーロン茶にはカフェインが含まれるため、夜に眠りにくい方は飲む時間帯に注意してください。

夏の過ごし方としては、まず「適度に汗をかくこと」が大切です。

 

暑いからといって、一日中冷房の効いた部屋でじっとしていると、体が暑さに慣れにくくなることがあります。

 

朝や夕方の涼しい時間に軽く歩く、ストレッチをする、無理のない範囲で体を動かすなど、少しずつ発散する時間をつくりましょう。

 

ただし、炎天下で無理に運動する必要はありません。

 

気温が高い日、湿度が高い日、体調がすぐれない日は、屋外活動を控える判断も大切です。汗をかくことと、無理をすることは別です。

睡眠も夏の養生では欠かせません。

 

昔の養生法では、夏は少しくらい夜更かししてもよいが、朝は早めに起きるとよい、という考え方があります。

 

これは、夏の自然のリズムに合わせるという意味では参考になります。

 

一方で、現代では睡眠不足が続くと、暑さへの負担を感じやすくなります。

 

夜更かしを完全に否定する必要はありませんが、寝不足が続かないように、冷房や扇風機を上手に使い、眠れる環境を整えることが大切です。

 

冷房についても、我慢しすぎる必要はありません。

 

暑さを無理に耐えることは、かえって体に負担になります。

 

ただし、冷房を強くかけすぎると、外との温度差でだるさや冷えを感じやすくなることがあります。

 

直接風に当たり続けない、薄手の羽織ものを使う、首・お腹・足元を冷やしすぎないなど、少しの工夫で体への負担を減らせます。

心の面では、夏は気持ちを発散させることも大切です。

 

東洋では、心は「喜び」と関わるとされます。楽しく笑うこと、気分転換をすること、人と会話すること、季節の行事を楽しむことは、夏の養生としてもよい過ごし方です。

 

ただし、暑さが続くと、知らないうちにイライラしやすくなることもあります。

 

怒りすぎない、予定を詰め込みすぎない、疲れた日は早めに休む。そうした小さな調整も、夏を元気に過ごすためには大切です。

 

梅雨明け後の夏は、楽しみが多い反面、暑さ、冷房、寝不足、食欲低下などが重なりやすい季節です。

 

東洋の知識では「心」と「脾」をいたわること。西洋的な視点では、熱中症対策、睡眠、栄養、水分補給を整えること。

 

この二つをうまく組み合わせながら、無理なく、気持ちよく、夏を楽しんでいきたいですね。

 

※本記事は、東洋の養生の考え方や一般的な健康情報をもとにした内容です。医薬品の効能効果を示すものではなく、特定の症状や病気の診断・治療を目的としたものではありません。体調に不安がある場合や症状が続く場合は、無理をせず医療機関等へご相談ください。

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