かかとの乾燥はなぜ起こる?西洋と東洋から考える原因とケア

かかとが白く粉をふいたようになったり、触るとガサガサしたり、ひどいときにはひび割れて痛んだりすることがあります。

 

顔や手は毎日お手入れしていても、かかとは見えにくいため、気づいたときには乾燥が進んでいたという方も多いのではないでしょうか。

 

かかとの乾燥は、空気が乾きやすい季節だけに起こるものではありません。

 

素足で過ごすことが多い時期や、サンダル、立ち仕事、歩き方の癖などによっても負担がかかるため、一年を通してケアしておきたい部分です。

なぜ、かかとは硬くなりやすいのか

 

かかとは、立つ、歩くといった動作のたびに体重がかかる場所です。

 

さらに、靴とのこすれや床からの刺激も受けやすいため、皮膚はその刺激から足を守ろうとして角質を厚くします。

 

ある程度の角質は足を守るために必要ですが、乾燥や摩擦が重なると、厚くなった角質が柔軟性を失います。

 

その結果、表面がガサガサしたり、ひび割れたりしやすくなります。

 

サイズの合わない靴や、かかとが固定されにくい履物、長時間の立ち仕事なども、かかとへの負担を強める要因です。

 

歩くときに特定の場所へ負荷が集中する癖がある場合も、部分的に角質が厚くなることがあります。

 

また、年齢を重ねると、皮膚の水分や油分を保つ働きが低下し、乾燥しやすくなることがあります。

 

かかとのガサガサは、単に水分が足りないというより、乾燥、圧力、摩擦、角質の厚みなどが重なって起こることが多いのです。

まずは保湿と刺激を減らすことから

 

基本のケアは、足を清潔にしたあと、保湿剤をやさしく塗ることです。

 

入浴後は水分をよく拭き取り、その後なるべく早めに保湿剤を塗ると、乾燥を防ぎやすくなります。

 

ただし、足の指の間は湿気がこもりやすいため、保湿剤をたっぷり塗る必要はありません。

 

かかとや足裏を中心に薄くなじませ、塗った直後は滑りやすいため、十分になじんでから歩くようにしましょう。

 

白色ワセリンは、皮膚の表面を覆い、水分が逃げるのを抑えるタイプの保湿剤です。

 

比較的刺激が少なく、乾燥が気になる部分の日常的な保護に使われます。

 

一方、厚く硬くなった角質を柔らかくする目的で、尿素を配合したクリームが選ばれることもあります。

 

ただし、尿素は濃度が高ければ高いほどよいわけではなく、皮膚の状態に合わせて選ぶことが大切です。

 

尿素配合製品は、傷口や赤く腫れている部分には使用できないものがあります。

 

また、湿ってただれている場合や、ひび割れがひどい場合は、使用前に医師、薬剤師、登録販売者などへ相談しましょう。

角質は削りすぎないことが大切

 

硬くなった角質を軽石ややすりで削りたくなることもありますが、一度に削りすぎると皮膚を傷つけてしまいます。

 

刺激を受けた皮膚が、かえって厚くなろうとすることもあるため、強くこするのは避けましょう。

 

行う場合は、少しずつ表面を整える程度にとどめ、削ったあとは必ず保湿します。

 

痛みがある、出血している、赤く腫れているといった場合は、自己判断で削らないことが大切です。

 

特に糖尿病、足の血流障害、足の感覚低下がある方は、小さな傷に気づきにくかったり、傷が治りにくかったりする場合があります。

 

角質を自分で削る前に、医療機関などへ相談してください。

乾燥に見えて、実は水虫の場合も

 

保湿を続けてもなかなか改善しない場合は、足白癬、いわゆる水虫が隠れていることがあります。

 

水虫というとかゆみや水ぶくれを思い浮かべますが、足裏やかかとの角質が厚くなり、粉をふいたようになるタイプでは、かゆみが目立たないこともあります。

 

見た目だけで、単なる乾燥と水虫を正確に区別することは困難です。

 

皮膚科では、皮膚の一部を採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを確認して診断します。

 

片足だけ症状が強い、足裏全体に皮むけが広がっている、爪が白く濁ったり厚くなったりしている、保湿を続けても変わらないといった場合は、皮膚科で確認してもらうと安心です。

 

市販の水虫薬を自己判断で使う前に、まず原因を確かめることも大切です。

東洋の知識では、皮膚の乾燥をどう考える?

 

東洋の知識では、皮膚の状態をその部分だけの問題として見るのではなく、体全体の巡りや潤いとの関係から考えます。

 

その一つが「血(けつ)」という考え方です。

 

ここでいう血は、西洋医学の血液だけを指すものではありません。

 

体の各所に栄養や潤いを届け、皮膚や髪、爪などを養う働きも含んだ、東洋の概念です。

 

血が不足し、皮膚や髪などに十分な潤いが行き渡りにくい状態は「血虚」と表現されます。

 

皮膚の乾燥だけではなく、顔色、髪や爪の状態、疲れやすさ、眠りの状態など、ほかの変化も含めて体全体を見ていきます。

 

また、東洋の知識でいう「腎」は、西洋医学の腎臓そのものと同じ意味ではありません。

 

成長、発育、生殖、加齢、足腰などに関わる幅広い働きを表す概念です。

 

年齢とともに皮膚や髪、足腰などの変化が気になり始めた場合には、腎の働きという視点から考えることもあります。

 

ただし、かかとが乾燥しているという一つの症状だけで、血虚や腎の衰えと判断することはできません。

 

東洋の考え方では、食事、睡眠、冷え、疲れ、便通なども含めて、その人の体調を総合的に見ます。

 

かかとの状態は、普段の生活や体調を振り返る手がかりの一つとして捉えるとよいでしょう。

外側の保湿と、内側の養生を一緒に

 

皮膚の状態を整えるためには、特定の食材だけを大量にとるのではなく、食事全体のバランスを整えることが基本です。

 

主食、主菜、副菜を組み合わせ、肉や魚、卵、大豆製品、野菜などを無理なく取り入れましょう。

 

無理な食事制限や、食事量が少ない状態が続いている方は、まず毎日の食事を整えることが大切です。

 

東洋の養生でも、一つの食材だけに頼るのではなく、その日の体調や季節に合わせて、さまざまな食材を取り入れることを重視します。

 

もちろん、食事を整えるだけで、かかとのひび割れが直接治るわけではありません。

 

外側からの保湿や、靴、歩き方、足への負担の見直しと組み合わせることが大切です。

かかとの乾燥は、毎日の小さな負担が積み重なって起こります。

 

外側からは保湿を行い、摩擦や圧力を減らし、内側からは食事や睡眠を整えるという両方の視点で、無理なく続けられるケアを心がけてみてください。

 

痛みの強いひび割れ、出血、赤み、腫れ、膿、強いかゆみがある場合や、セルフケアを続けても改善しない場合は、早めに皮膚科へ相談しましょう。

 

特に糖尿病などで足の傷が治りにくい方は、小さなひび割れでも自己判断で放置しないことが大切です。

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