夏に唇が荒れるのはなぜ?乾燥する原因と毎日のケア

梅雨から夏にかけては湿度の高い日が続くため、「唇の乾燥とは無縁の季節」と思われるかもしれません。

 

しかし実際には、夏になると唇がカサつく、皮がむける、ヒリヒリするといった変化を感じる方もいます。

 

唇の荒れは、単に空気が乾燥しているときだけに起こるものではありません。

 

夏は紫外線や冷房、汗をかくことによる水分不足、唇をなめる習慣、化粧品などの刺激が重なることで、唇の状態が悪くなる場合があります。

湿度が高くても唇が荒れる理由

 

夏に気をつけたい原因の一つが、紫外線です。

 

顔や腕には日焼け止めを塗っていても、唇の紫外線対策までは意識していない方も多いのではないでしょうか。

 

唇も日光の影響を受けるため、屋外で過ごすときには、UVカット機能のあるリップクリームを使用する方法があります。

 

紫外線対策を目的とする場合は、SPF30以上を一つの目安とし、飲食後や長時間屋外で過ごすときには、必要に応じて塗り直しましょう。

 

また、夏は冷房の効いた室内で長時間過ごす機会が増えます。

 

屋外の湿度が高くても、冷房の風が顔に直接当たっていたり、空調が長時間使われていたりすると、唇の乾燥につながることがあります。

 

寝ている間に口が開きやすい方や、鼻づまりなどで口呼吸になっている方は、朝起きたときに唇や口の中が乾いていることもあります。

 

冷房の風が顔へ直接当たらないよう、風向きや寝る位置を調整してみましょう。

汗をかく季節は水分補給も大切

 

夏は汗を多くかくため、水分補給が十分でない場合には、全身の水分不足が唇の乾燥に重なることもあります。

 

ただし、唇が荒れているからといって、必ず脱水が原因であるとは限りません。

 

のどが強く渇く、尿の量や回数が少ない、頭痛やだるさがあるといった場合は、唇だけでなく全身の状態にも目を向けましょう。

 

暑い日は一度に大量に飲むのではなく、日中から少しずつ水分をとることが大切です。

唇をなめると、かえって乾燥することも

 

唇が乾くと、無意識になめてしまうことがあります。

 

一時的には潤ったように感じますが、唾液が蒸発するときに唇がさらに乾き、唾液そのものが刺激となる場合もあります。

 

皮を無理にむく、かむ、こするといった行為も、傷や炎症を悪化させ、回復を遅らせる原因になります。

 

乾燥を感じたときには、なめる代わりに刺激の少ないリップクリームや保湿剤を塗りましょう。

リップクリームが刺激になる場合もあります

 

唇を守るために使用しているリップクリーム、口紅、歯磨き粉などが、刺激やアレルギーの原因になっている場合があります。

 

新しい製品を使い始めてから荒れた、塗るとヒリヒリする、赤みやかゆみが強くなるという場合は、いったん使用を中止しましょう。

 

荒れているときは、香料や清涼感の強いものよりも、香りや刺激の少ない製品が向いています。

 

白色ワセリンなどの軟こう状の保湿剤を薄く塗り、日中だけでなく就寝前にも唇を保護する方法があります。

 

製品を塗ったときのヒリヒリ感を「効いている証拠」と考えて、無理に使い続けないことも大切です。

 

唇の炎症には、刺激物やアレルギー、感染症など、さまざまな原因が考えられるため、症状に合わない製品を使い続けると悪化することがあります。

東洋では唇をどのように考える?

 

東洋では、口や唇は「脾」と関係の深い部位として考えられてきました。

 

ここでいう脾は、現代医学における脾臓そのものではなく、食べ物を消化・吸収し、得られた栄養や水分を全身へ運ぶ働きを含めた、伝統的な機能の概念です。

 

古くから「脾は口に開竅し、その華は唇にある」と表現され、食欲や胃腸の状態とともに、唇の色やつやも体調を考える手がかりの一つとされてきました。

 

東洋医学では、脾の状態は口や唇に表れやすいと考えます。

 

梅雨や蒸し暑い時期に、食欲がない、お腹が重い、便がゆるい、体がだるい、むくみやすいといった状態が重なる場合、東洋医学では、体に余分な「湿」がたまり、脾の働きに負担がかかっている状態として捉えることがあります。

 

ただし、「湿度が高いから脾が弱り、唇が荒れる」という関係が、現代医学で確認されているわけではありません。

 

唇の状態だけで体質を決めつけず、紫外線、冷房、口呼吸、化粧品などの影響も併せて見直すことが大切です。

食事は特定の食材に偏らないことが基本

 

唇を整えるために、特定の食材だけを大量に食べる必要はありません。

 

主食に加えて、肉や魚、卵、大豆製品、野菜などを組み合わせ、偏りの少ない食事を続けることが基本です。

 

東洋の養生では、胃腸が疲れているときは、冷たい飲食物や脂っこいものばかりに偏らないようにします。

 

温かい汁物や、やわらかく調理した山芋、かぼちゃ、にんじん、じゃがいもなどを、食欲やお腹の状態に合わせて取り入れてみましょう。

 

これらの食材が、唇の荒れを直接治すという意味ではありません。

 

食欲が落ちやすい夏に、胃腸へ負担をかけすぎず、毎日の食事を整えるための一つの工夫として考えましょう。

口角だけが切れる場合は?

 

唇全体ではなく、口の両端に赤みや亀裂が繰り返し生じる場合は、「口角炎」の可能性があります。

 

口角炎は、唾液が長時間触れることによる刺激のほか、カンジダなどの真菌や細菌、合わない入れ歯、鉄やビタミンB群などの不足が関係する場合があります。

 

ただし、口角の見た目だけで原因を判断することはできません。

 

繰り返す場合や治りにくい場合は、自己判断で栄養補助食品や薬を使い続けず、医療機関へ相談しましょう。

唇の荒れが長引くときは皮膚科へ

 

唇の荒れは、乾燥だけでなく、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、感染症、医薬品の影響などが関係している場合があります。

 

腫れや強い痛みがある、水ぶくれやただれが出た、出血やひび割れを繰り返す、保湿をしても改善しない場合は、早めに皮膚科へ相談しましょう。

 

また、長年にわたって強い紫外線を浴び続けると、主に下唇に乾燥や皮むけ、ざらつき、かさぶたなどが続く「光線性口唇炎」が生じる場合があります。

 

光線性口唇炎は前がん病変として扱われるため、唇の一部だけに治りにくい変化が続くときは、放置せず医師の診察を受けることが大切です。

 

市販薬を使う場合も、症状や原因によって適した薬が異なります。

 

自己判断で長期間使い続けず、薬剤師や登録販売者へ相談し、説明書を確認したうえで使用してください。

 

夏の唇荒れは、湿度だけでは判断できません。

 

紫外線対策、冷房環境の見直し、こまめな保湿と水分補給、唇をなめたり触ったりしないことを意識しながら、胃腸に負担をかけすぎない食生活を心がけていきましょう。

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