夜中に足がつるのはなぜ?こむら返りの原因と対策

夜中に突然ふくらはぎが強く縮み、痛みで目が覚めたことはありませんか。

 

いわゆる「足がつる」「こむら返り」と呼ばれる状態で、特に中高年になると、就寝中に経験する方が増えてきます。

 

足がつると、「水分が足りなかったのでは」「ミネラルが不足しているのでは」と考える方も多いでしょう。

 

しかし、夜間のこむら返りは原因を一つに特定できないことも少なくありません。

 

筋肉への負担や、神経と筋肉の働きの変化、一部の薬、神経や代謝に関係する病気などが関係する場合があります。

 

また、大量に汗をかいたときや、下痢、嘔吐などが続いたときには、脱水や体内の電解質の乱れが関係することもあります。

 

今回は、足がつる原因や対処法を、西洋と東洋の両面から見ていきましょう。

足がつるとはどのような状態?

 

足がつるとは、筋肉が自分の意思とは関係なく急に収縮し、強い痛みを伴う状態です。

 

ふくらはぎに多く起こりますが、足の裏や指、太ももなどに起こることもあります。

 

夜間のこむら返りでは、眠っている間や目覚める直前に、ふくらはぎの筋肉が突然硬くなります。

 

数秒から数分ほどで治まることが多いものの、その後もしばらく痛みや違和感が残る場合があります。

 

健康な方にも起こるため、たまに足がつるだけで、必ずしも病気があるとは限りません。

 

ただし、頻繁に繰り返す場合や、ほかの症状を伴う場合には注意が必要です。

夜中に足がつる原因

 

夜間のこむら返りは、詳しく調べても原因がはっきりしないことがあります。

 

一方で、筋肉を使いすぎた日や、普段より長い距離を歩いた日、反対に長時間同じ姿勢で過ごした日などに起こりやすくなる方もいます。

 

年齢を重ねると、筋肉量や柔軟性が低下しやすくなることも、足がつりやすくなる背景の一つです。

 

また、妊娠中にこむら返りが増える方もいます。

 

一般的な夜間のこむら返りを、すべて水分不足やミネラル不足だけで説明することはできません。

 

ただし、大量に汗をかいたときや、下痢や嘔吐が続いたときには、脱水や電解質の乱れによって筋肉のけいれんが起こる場合があります。

 

一部の薬が関係することや、神経、血管、腎臓、甲状腺などに関係する病気に伴って起こることもあります。

 

何度も繰り返す場合は、生活習慣だけでなく、服用している薬や治療中の病気も含めて考える必要があります。

暑い場所で足がつった場合

 

暑い場所での活動中や、大量に汗をかいたあとに筋肉がつった場合は、熱中症の可能性にも注意が必要です。

 

めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、強いだるさ、大量の発汗などを伴っていないか確認しましょう。

 

熱中症が疑われる場合は、エアコンの効いた室内や風通しのよい日陰へ移動し、衣服を緩めて体を冷やします。

 

意識がはっきりしていて自力で飲める場合は、経口補水液などを少しずつ補給してください。

 

自力で水分を飲めない、意識がない、受け答えがおかしい場合は、無理に飲ませず、すぐに救急車を呼びましょう。

 

応急処置をしても症状が改善しない場合にも、医療機関への相談が必要です。

東洋では「筋」「肝」「血(けつ)」を手がかりにする

 

東洋では、筋肉や腱の状態を考える際に、「肝」や「血(けつ)」の働きを一つの手がかりとします。

 

ここでいう肝は、西洋医学の肝臓そのものではなく、血を蓄え、筋の働きや体の動きを滑らかに保つ働きを含んだ伝統的な概念です。

 

また、東洋には、全身を養い潤す「血(けつ)」という考え方があります。

 

疲労、加齢、睡眠不足、偏った食事などが重なり、筋を十分に養えない「血虚」の状態では、筋肉のこわばりや引きつりが現れやすいと説明されることがあります。

 

ただし、足がつるから必ず血虚や肝の不調であると決めつけるものではありません。

 

疲れやすさ、顔色、皮膚の乾燥、睡眠、食欲など、全身に現れている状態を合わせて考えるのが東洋の特徴です。

 

東洋でいう「肝」や「血」は、西洋医学の臓器や血液と同じものではありません。

 

原因となる病気や薬の影響を確認する西洋医学と、体全体の状態を見る東洋を分けて考えることが大切です。

足がつったときの対処法

 

ふくらはぎがつったときは、慌てて強く揉んだり、勢いよく立ち上がったりしないようにしましょう。

 

膝を伸ばした状態で、つま先をゆっくり自分の方へ向け、ふくらはぎの筋肉を少しずつ伸ばします。

 

手が足先まで届きにくい場合は、足の裏にタオルをかけ、痛みが強くならない範囲でゆっくり引く方法もあります。

 

痛みが落ち着いたあとも違和感が残る場合は、無理に歩いたり、強く揉みほぐしたりせずに様子を見ましょう。

 

転倒を防ぐためにも、夜中につったときに慌てて立ち上がらないことが大切です。

 

まずは布団やベッドの上で、ゆっくり筋肉を伸ばしてください。

足がつるのを防ぐために

 

予防としては、就寝前にふくらはぎを無理のない範囲で伸ばす、日中に足首を動かす、長時間同じ姿勢を続けないといった方法を試してみてもよいでしょう。

 

ただし、こうした対策ですべてのこむら返りを防げるとは限りません。

 

汗を多くかいた日や、下痢、嘔吐などがあった場合は、水分を適切に補いましょう。

 

普段の食事についても、特定の食品だけに偏らず、できる範囲でバランスを整えることが基本です。

 

カリウムやマグネシウムの不足と自己判断し、サプリメントを大量にとることはおすすめできません。

 

特に腎臓の機能が低下している方や、治療中の病気がある方は、摂取してよい成分や量を医師や薬剤師に確認してください。

芍薬甘草湯にも注意点があります

 

こむら返りに用いられる漢方薬として、芍薬甘草湯が知られています。

 

急激に起こる筋肉のけいれんを伴う痛みに用いられますが、すべての足のつりに合うわけではなく、必要以上に長く使い続ける薬でもありません。

 

芍薬甘草湯に含まれる甘草では、偽アルドステロン症や低カリウム血症、筋力低下などが起こることがあります。

 

むくみ、血圧上昇、体重増加、手足に力が入りにくいといった変化が現れた場合は、使用を中止して医療機関へ相談する必要があります。

 

甘草を含むほかの漢方薬や、グリチルリチンを含む薬との重複にも注意が必要です。

 

また、利尿薬などを服用している方は、低カリウム血症などが起こりやすくなる可能性があります。

 

治療中の病気や服用中の薬がある方、足がつるたびに繰り返し使用している方は、医師、薬剤師、登録販売者などに相談してください。

足のつりで受診した方がよい場合

 

足のつりが頻繁に続く、日中にも繰り返す、筋力低下やしびれを伴う場合は、自己流の対策だけで済ませない方がよいでしょう。

 

一部の薬の影響や、神経、血管、腎臓、甲状腺などに関係する病気が隠れている場合があります。

 

片脚だけが突然腫れ、赤み、熱感、強い痛みが現れた場合は、一般的なこむら返りとは異なる可能性があります。

 

脚の静脈に血の塊ができる深部静脈血栓症などでも、このような症状が現れることがあります。

 

片脚の腫れや痛みに加えて、突然の息苦しさや胸の痛みがある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

 

また、筋肉のけいれんが長く続く場合や、何度も繰り返して治まらない場合にも、医療機関へ相談してください。

たまに起こる足のつりは、多くの場合、一時的なものです。

 

それでも、日中の活動量、水分、食事、睡眠、服用している薬などを振り返るきっかけにはなります。

 

西洋医学では原因となる病気や薬の影響を確認し、東洋では体全体の状態や傾向を見ていきます。

 

どちらか一方だけで決めつけず、両方の視点を上手に取り入れながら、足がつりにくい生活を目指していきましょう。

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